
夜の唐松岳頂上山荘前 標高 2.620M
学生時代の3年間、夏と冬の休みのほとんどを
八方尾根スキー場にあるホテルの住み込みアルバイトで明け暮れました。
社会人になったその後も数年間、バイト時代の仲間とつるんでは
居候と称して宿に転がり込んでお世話になっていたので
結局はずいぶん長いこと通いつめた思い出の地、白馬八方尾根。
今はそのホテルもなくなって、たまに連絡を取り合う以外、
その頃の仲間と会うこともほとんどなくなりました。
当時はもちろん目的はスキーやボードなわけで
ゲレンデのコースMAPは完璧に頭にインプットされていても
360度に広がる山々が何と言う山かなんて、正直どうでも良かったのです。
山座同定よりも、ゲレンデのコンディションの方がずっとずっと大切だった。
山に登るようになってからは、その思い出の地 白馬は
やはりずっと気になる存在ではありました。
でもまだ今のわたしには、しろうまを週末の一泊山行で縦走する自信はなかったのです。
そんな時、たまたま雑誌で見かけたある写真に目を奪われて・・・
それは、夕日に赤く染まる唐松岳頂上山荘でした。
登山口はなんと懐かしき八方尾根スキー場。
しかもコースタイム登り4時間半!
ここなら行ける。唐松岳に登りたい!

ポピュラーなアプローチは、麓の八方駅からゴンドラ、リフト、リフトと3本乗り継いで
一気に1830M地点の八方池山荘まで上がってしまうのですが
堅実(?)な登山客は、黒菱林道終点まで車で上がり
ゴンドラ代(往復 1440円×2人)をケチります(笑)。
すでにここは、ゲレンデ内です。青い建物はカフェテリア黒菱。
昔よくお茶したものです。懐かしい~(涙)

以前は、ここから別のリフトが一本運行していたのですが
今年は不景気の煽りか、リフトは運休。
次のリフト乗り場まで自力で登攀。約30分。しょっぱなだし、かなりキツイです。
でもこれでまたリフト一本分(往復 450円×2人)の節約です(爆)
牛の皆さんの間を抜けて登って行きます。
(本当はここは通っちゃイケナイようです。すみません。)
雪のない八方のゲレンデを歩いたのは、もちろん初めてです。

汗だくになって到着したところに、3本目のリフト乗り場があります。
ここで、ゴンドラで上がってきた観光客とも合流。
リフト運行時間前の早朝発ちの人などは、ここからもさらに徒歩で上がりますが
わたしたちはもちろん迷わずリフト使用。
冷たい風が気持ちいい~~リフト最高~~(笑)

赤い屋根が、リフト終点の八方池山荘。
さて、ここからは観光客に混じって、まずは八方池を目指します。
八方池までは、うっかり来てしまったらしいサンダル履きの人や、
子供やお年寄り、軽装のカップルなんかで賑わってます。
結構侮れない登りなんですけどね・・・

ちらほら咲き始めたお花たちを愛でながら、木道や石畳のよく整備された道を
一時間ほど登ると、八方池到着!
この池、よく晴れた日には、池に白馬の山々が映りこむ「逆さ白馬」で
有名なのですが、今日は雲で山々が見えない上に
風で水面がたっていてまったく画にならず。
ぐるりと池を一周して、そそくさと先へ急ぎます。
空が、ちょっと怪しくなってきました。

池から先は本格的登山道。観光客がいなくなり一気に静かな山に。
ふと振り返ると、もう池があんなに小さく。
人間の足ってスゴイなぁ・・・

アルペンムードもぐっと高まって、雪渓もだいぶ増えてきました。
何度か雪渓を渡りますが、もうアイゼンはなくても大丈夫。

丸山ケルンに着くあたりから、だいぶガスが濃くなってきました。
もはや展望もきかず、山並みもまったく見えません。
結構険しい岩場や、痩せた尾根を歩いているようなんだけど
上に行けば行くほどどんどん白くなって
仕舞いには足元しか見えないので、自分がどんなところを歩いているのか
様子がまったくわかりません・・・(涙)

それでも一本道なので、迷うことはありません。
無事、山荘に到着する頃にはものすごい風。
受付を済ませたら、強風の中飛ばされそうになりながらテント設営。
そう、今回は初のテント泊山行です。
ここから唐松岳の頂上はすぐそこのようなんだけど
なーんに見えないし、何よりこの強風じゃ散歩もままなりません。
小屋でコーヒーを一杯飲んで、昼寝でもするかとそそくさとシュラフに潜り込みました。
2時間ほど眠ったでしょうか・・・
外の話し声で目を覚まし、テントのファスナーをじじじじと開けてみると・・・

さっきまで真っ白で何も見えなかったテントの目の前に
うっすら夕日に照らされた立山連峰のシルエットが!
剱岳の雄姿に目を奪われます。
っていうか、こんなところにいたのね、わたし(笑)

手前のオレンジがわたしたちのテントです。
唐松岳のテント場は、本来はここからだいぶ降りたずっと下にあるのですが
残雪があることと、この時期まだテントが少ないことからか
今日はココに張って良いとのこと。
トイレが近くて助かります(苦笑)
ガスは切れたものの、相変わらずの強風で外で過ごすことは出来ません。
まだまだながーい夜ですが、プライベート空間は気兼ねもなく
なんて快適なんだろう!!
荷物はぐんと重くなるけれど、この快適さのためならば
がんばって持ち上げるしかないなぁ、、、やっぱり。
一晩中吹き荒れる強風。
さて明日の天気はどうなることやら・・・
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- 2008/07/14(月) 21:46:16|
- お山
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