
沸き立つ雲と、眼下に見えた早月小屋
北方稜線編は
こちら同じルートを帰るのではつまらないだろ?と、相方がプランした下山ルートは早月尾根。
カニのタテヨコはきっとすごい渋滞だろうし、剱沢のテント場も混雑しているに違いない。
いいねいいね、早月小屋ならきっと静かだろうね。早月尾根も歩いてみたい。
立山に置いてある車まで戻る列車の旅も楽しみだ。
無事登頂を果たし、やり切った感を味わいつつもまだまだ油断は出来ません。
剱岳頂上からしばらくの鎖場は、登山初心者が気軽にチャレンジするには
あまりにも危険な岩稜帯だな、、、と改めて思う。
ヘルメット普及率は顕著で、ハーネスを付けている人がいるのも驚きでした。

追い抜かせてもらったオジサマに、声をかけられる。
「もしかして北方稜線から来たの?見るからに違うもんねー。すごいねー。」
別に人に自慢したいから歩いてるわけじゃないけど(いや、それもあるかな?w)
スゴイって言われれば、やっぱり嬉しいかも(笑)

さすがに脚にキテいて、あまりスピードは出せない。
お腹が空いてきて、ガレが緩んだ2600手前でオニギリタイム。
考えてみたら、朝からここまでで食べたのは、途中途中何回かに分けてかじった
パン一個だけだった。 エネルギー、よくもったな。
もくもく下ることしばし、眼下にようやく早月小屋が見えてきた!
ルートミスなどもせず、体力をロスすることなくもう少し早く登頂することが出来たなら
泊まらず一気に下山・・・なんてことも実は考えていたのだけれど
時間的にはもう厳しくなっていた。
何よりやはり脚にキテいたし、体力的にも限界が近かった。

小さな早月小屋のテント場も、さすがに混雑していましたが
張れそうな場所はまだだいぶ残っていました。
水平番長のお眼鏡にもかなう、なかなかナイスな場所をゲット。
それにしてもビールの美味いこと美味いこと!
オジサマ率高めな感じの落ち着いたテン場でしたねー。
皆さんマナーがよろしくて、混雑をまるで感じさせない夜でした。

前日、死ぬほど(10時間以上)眠ったせいなのか、
はたまた気分が高揚していたせいなのか、なかなか寝付けず、
ようやく少し眠って2時過ぎに目が覚めたら、そのあとまた眠れず悶々・・・
どうやら相方も眠れないようで、もう起きちゃおうということになりました。
明るくなったらすぐ出ようと、ゴソゴソと行動開始。
時間があるので今日はしっかりと朝食も摂って、入念にストレッチ。
残り1500mの下りに備えます。

夜が明けたばかりだというのに、たくさんの人々が登ってきます。
この時間からということは、きっと日帰りなのでしょう。すごいなー。
一気に下って、7:55到着。
はぁ~・・・やり遂げました。

爽やかなキャンプ場を抜けて、馬場島荘でタクシーを呼びます。
40分ほど待って乗車。
富山地方鉄道・本線の上市駅まで(7680円)。
ちなみに、電車を使わずタクシーで一気に立山駅まで行くなら
交渉次第ですが15000円くらいで行ってもらえるかもしれません。
アタマ数が揃うなら、それも楽チンでいいかも。


テツ心を駆り立てられるレトロな寺田駅で、富山地方鉄道・立山線に乗り換え。
車窓に流れる立山の山並みを眺めながら、しばしの旅を楽しみます。

10:15 立山駅着
電車の本数は少ないですが、繋ぎが非常に良いので
馬場島から、一時間半ほどで着きました。

いつもの日帰り温泉で一皮むいて、リフレッシュしたあと
まだ時間も早いので、久しぶりに「立山博物館」に寄り道。

ついでに、布橋も見学。
現在の企画展は、
9/21(日)に開催される橋渡り儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」
に合わせた「布橋灌頂会イベント開催記念展」でした。
いやー、、、立山満喫。
---
さて最後に。
北方稜線、難易度をジャンダルムと比較されたりもしてますけど
これはもうなんというか、比べようがない別物だということがわかりました。
高度感とか岩登りの要素は、ジャンのほうが高いと思いますが
わたしとしては、精神的にも北方稜線のほうが厳しかったです。
ジャンはソロでやれそうですが、北方稜線は絶対にムリ(苦笑)
山歩きに於いての得手不得手もあると思います。
わたしは高度感には強いけど、ザレにはめっぽう弱いので。
そして、
「ルートファインディング」
何よりこれに尽きるかな、と。
危険を回避しながら道を探して歩くということが、こんなにも大変なことか、と。
一つの道迷い・選択ミスが、命にも関わるわけで。
でも、そこがバリエーションルートの醍醐味であるわけなんですけどね。
まぁわたしは、連れて行ってもらっただけなんでエラそうなことは言えませんが。
早月のテントの中で、
「もう、やることはやったから、これからはソフト路線で楽しもう」
と、相方としみじみ語り合いました(笑)。
でもね、、、なんかね、、、時間が経つとね、、、
いつかはアソコに立たなきゃならないし!
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- 2014/09/20(土) 00:20:01|
- お山
-
-
| コメント:6
北方稜線踏破おめでとうございます!
劔には縁が無くて、バリルートどころか一般ルートすらいまいち把握していませんが(汗)。
今回mieさんたちの記事と合わせてちょっとググって勉強しました。
北方稜線って、北陸道から見えるギザギザの稜線なんですよね。
春に頸城の方にスキーに行った時、朝日に浮かぶシルエットがすごかった。
基本的な技術、体力は当然として、一般ルートを外れる登山はルーファイ能力が
一番重要だと私も思います。
これって自分がリーダーとしてトップ張らないとなかなか身につかないんですよね。
私はついつい先輩方に頼ってしまうのでまだまだ自信がないです。
さてさて、次は北鎌ですか~?
- 2014/09/20(土) 09:17:41 |
- URL |
- ヨウメイ #IZmV9GYY
- [ 編集]
4年前、池ノ平小屋に泊まったときは悪天候で真っ白で
八ツ峰の姿は見ていなかったのです。
あのときは、裏劔なんてピークがなくてつまらない、、、と、相方はあまり乗り気じゃなかったのよね。
まさか北方稜線を歩くことになるなんて、思ってもいなかったからね(笑)
静かで良いところですよ、裏劔。
岩登りじゃなくても、阿曽原に抜けるルートもぜひ歩いてみてもらいたいコースです。
仙人池の逆さ八ツ峰をまだ見られていないので、わたしもまた行きたいです。
昨夜の我が家の家族会議で、いつかヨウメイさん
をそそのかしてに
チンネに連れて行ってもらおうということになりましたので
リード、よろしくお願いしますw
わたしもそれまでに、ロープワークとクライミング、もうちょっと頑張ります!
> さてさて、次は北鎌ですか~?
加齢が加速しないようなら頑張りたいものですが・・・
- 2014/09/20(土) 18:28:04 |
- URL |
- mie #YjQ.5aTo
- [ 編集]
本当にお疲れ様でした!
>「もう、やることはやったから、これからはソフト路線で楽しもう」
この気持ち、すっごくよく分かります。
でも、すでに行っちゃう気マンマンじゃないすか!
> さてさて、次は北鎌ですか~?
私も行きたーーーーい!!!
次こそ、バッタリ!?
万年、セカンドのヨメボンkkより
- 2014/09/21(日) 22:25:34 |
- URL |
- kk #-
- [ 編集]
ジャンとはまた違った疲れ方でしたわー。
歩いてて楽しいのは、わたし的にはやっぱりジャンのほうです。
ザレより岩。そして鎖やペンキの力は偉大だな・・・と。
うちの相方が、冬のアルパインより怖えー。
と、申しておりました。
というわけで、ロープ使った岩のほうがソフトかな?(←違う?)
ということで、今後はそっちをもう少し勉強したいなと思ってます。
kkタンも、一緒にチンネに立ちましょうぞ!
> 次こそ、バッタリ!?
北鎌は、わたしにはまだ100年早そうです。
- 2014/09/22(月) 12:43:58 |
- URL |
- mie #YjQ.5aTo
- [ 編集]
あらためて無事のご帰還なによりです
北方稜線なんてゼンゼン知りませんでしたが
そういえば「この先キケン」のプレートあったな
私は15メートルほど進んでみただけですけどね
そんなルートにテン泊装備で臨むとは いったいどこまで先鋭化するのですか?(笑
私は13、14日は前回悪天候で敗退した白山に行ってました
命令だった(笑)のでチブリ尾根で
で 結論から言うと この尾根ルートはほんとジミー大西
歩きやすいんだけど尾根というには眺望が利かなくて
特に登りはツマランなーと
ま 個人の感想ですがね
14日朝は白山山頂からも絶景が広がってましたよ
遠く剱もキリッと見えてて
そうか ちょうどあの時 あそこを攀じってたんだ
と思うとこちらも感慨新たです
何なら次は小窓尾根なんぞは目標にいかがでしょうか?
テン場からのPにも写っている猫かフクロウのように見える
ニードルというらしい岩に興味をそそられませんでしたか
アルパインムード満点でしたよ(笑
mieさんらが垂直ルートなら こちらは水平ルートかな
カーフレイズとスクワットのおかげか
片道14キロのチャリ通による3キロ減量による恩恵か
どうやら膝痛を克服できたみたい
アルプスを親不知からつなぐ目標に将来チャレンジできそうです
もう一度という気持ちにさせてくれたベンに
とてもとても感謝してます
もちろんmieさんにもですがね
- 2014/09/23(火) 00:28:09 |
- URL |
- SKYDOG #cTM2SD4.
- [ 編集]
> そんなルートにテン泊装備で臨むとは
相方のザック、デカイと思ってたけど、立山には
もっともっとデカイの背負ってる人いっぱいで圧倒されました。
しかも、女子のもみなデカイ。山女はみんな強いですよねー(←他人事w)
だけどさすがに、北方稜線にはいなかったなー(笑)
> 命令だった(笑)のでチブリ尾根で
あはは、、、先越されましたね。
なんかもう、着々と任務を遂行wされているようで素晴らしい。
じゃあ次は、釈迦岳ですよ釈迦岳(命令?笑)
釈迦新道、これからいいみたいですよ?紅葉が!
下山路も、長い割には意外と膝に優しいトレイルなのでオススメです。
> どうやら膝痛を克服できたみたい
わたしも最近は、割と調子がいいです。
克服とまでは言えず、常に恐る恐るではあるし、ケアは必要だけど
早月の下りも、まぁ無難にこなせましたし。
ベンの存在が、今もこうして誰かの心になにかを残してくれているのなら
わたしも嬉しいです。
こちらこそ、いつも温かいお話とお言葉、ありがとうございます。
- 2014/09/23(火) 22:12:38 |
- URL |
- mie #YjQ.5aTo
- [ 編集]