
白山に咲く、キバナクロユリ
登山部での白山登山から間もなくのこと。
実家の母から
「近々、白山に登ろうと思うのだけど、来られない~?」
との連絡。
はいはい。もちろんお供させて頂きますとも。
かくして、一週あけてまたまたの白山に行ってきました。
なんちゅーかもう、白山馬鹿状態(笑)

大きな雨雲が白山をも飲み込んだ木曜日。
本当なら一泊目、南竜山荘に宿泊するはずだった母と母の山友・Oさんふたり。
あまりの雨量の多さに市ノ瀬-別当間が通行止となり待機を余儀なくされて
残念ながら一日目は白峰に宿を取り、一日を棒に振る形に。
同じく足止めをくらった多くの人々で、白峰の町はちょっとした騒ぎに
なっていたそうです。
翌日金曜朝になっても、ギリギリまで開通するかどうかわからない状況だった
のですが、すでにお天気は快方に向かっており、このぶんならたぶん開くだろう
とのことだったので、有給休暇を取っていたわたしも予定通り、
落ち合うことになっている室堂に向け、朝6時過ぎに家を出ました。
市ノ瀬に着くとすでに周辺は落ち着きを取り戻しており
問題なく無事バスに乗り込み別当出合登山口へ。
さすがにガスで真っ白ですが、カッパを着なくてよいだけでもありがたい。
本当は観光新道を登りたかったけど、海の日の豪雨で崩れた場所が
今回の雨でさらに崩落が進んだらしいとのことなので諦めました。
観光新道、現時点で通行禁止にはしていないようですが、なるべく控えて欲しい
との呼びかけがされていました。

シーズン真っ盛りの白山は平日でもさすがのひと出。
それでもやはり土日に比べれば幾分歩きやすく、前回ヘバったこともあり
今日はザックも軽量化に努めた甲斐があり順調に歩を進めます。
ハンデをくれとのことで出発の時間をずらした母たちに
甚之助避難小屋まで間もなくのところで追いついちゃいました。
どうやら歩き始め母の調子が悪く、かなり時間を取られていたようですが
わたしと会う頃にはだいぶ回復していたようなので、甚之助でたっぷり休憩を
取ったあと、予定通りにこのまま進みます。
相変わらずガスで真っ白ですが、南竜分岐を過ぎお花がちらほら現れ始めると
やはり元気をもらえます。


ヒョロヒョロと背の高いハクサンコザクラ

コバイケイソウはどこも大爆発
お花が大好きなふたりには、やっぱりこっちかな・・・
ということで、今日は登りもエコーラインへ。
たった二週間で、エコーラインや弥陀ヶ原のお花たちも様変わり。
花博士のふたりにレクチャーを受けながら歩けば
同じ道でもまた新しい発見もあるものです。
最後に辛い五葉坂を登りきり、室堂に到着してみれば・・・

雲を突き抜け、この青空!!
だから言ったでしょう?
今年のわたしは、ツイているんです。ふふん。
晴れ女の母のお株も奪う今年のわたし(笑)
母の体調も、持ち直してくれたようでひとまず一安心。

出ました!Oさんのバスケット~♪
母とふたりで室堂周辺をフラフラ散歩している間に
Oさんが手早く温かいお蕎麦を作って下さいました。
このOさん、今ではすっかり丸くなり、お花など愛でていらっしゃいますが
若い頃は、ソロでバットレスやっちゃうような
岩でもブイブイ言わせていた山ヤなお方。
うちの父や母はもちろんのこと、
わたしたちが
雪山デビューした北横にもお付き合いいただいたりして
家族ぐるみでお世話になっています。
食材が潰れちゃうから、と、いつもこんな風にバスケットをザックに
しのばせてらっしゃいます。素敵。

今にも雲に飲み込まれそうな室堂。
室堂周辺で行われる石川県自然解説員による観察会に参加するという
ふたりと分かれて、わたしはとりあえず山頂ゲットに向かいます。
えぇだってわたくし、ピークハンターなんだもの。

二週間ぶりのピーク。

ピークから見える池がなんだかとてもキレイに見えたので
なんとなく下りてみることにしました。

いつかは登ってみたい剣ヶ峰を眺めながら下ります。
(一応、登山は禁止とのことのようなので自己責任で)
御前峰の裏(?)側は、ザレザレ。
丸印を追って、慎重に下りましょう。

紺屋ヶ池

翠ヶ池
以前巡ったときとは逆ルートでまわるお池巡り。
時間のせいもあったのか、こんなハイシーズンでも人影はなく
とても静かで怖いくらい。
天国って、もしかしたらこんな感じなのかしら・・・?(笑)

室堂が見えて少しホッとする。


コイワカガミも大群落。

池を巡ったあとは、近道ではなく雪渓下を巻くルートで室堂へ戻りますが
これが大正解!
早く戻らないとふたりが心配するかな?と思うのだけど、
花・花・花のオンパレードで、脚がなかなか前に進まない(笑)
明日はまた、ここを通ることになると思うけど
ふたりもきっと、大興奮することだろう。

室堂に戻ると間もなく夕飯の時間。
今回も自炊部屋を予約し、夕飯のみ室堂でお願いしておきました。
ご飯もお味噌汁もおかわり自由。男の人はうれしいかも?

ふたりは下戸なので、ひとりで生ビールを頂く(笑)
ここの生ビールは、白山の伏流水で仕込んだ一番搾り。
この日の日没は、かなり高い位置まで上がった雲海に飲まれてしまい
山が焼けることもなくかなり残念な感じでした。
事前にチェックしていた天気予報では、夜はあまり芳しくないよう。
前回も空振りで重荷になっただけだったこともあり、
今回は思い切って、三脚も夜遊び用の防寒対策も用意しませんでした。
あぁそれなのに、、、こういうときに限ってなんてことでしょう・・・

なんと素晴らしい星空が広がってしまいました。
しかも、月の出は午前2時前という絶好の星空撮影日和・・・orz
悔しいから見ないで眠ってしまおうと思ったのですが
やはりどうしても気になって・・・諦めきれずに悪あがき(笑)
テーブルにカメラを乗せて、拾った石ころで固定して数枚。
ま、三脚あってもどうせこんなもんです。ふっ。
冷たい風の吹く、寒い夜でした。
明日は御来光はパスして、早朝から散策へ出かける予定。
悪あがきはやめて、早く寝るとしよう。
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おまけ

実は今日、ずっと会いたかった黄花のクロユリとついにご対面。
とても珍しい希少種だそうですが、白山では数箇所で確認されている
という話は聞いていました。
ミヤマクロユリはそもそもは黄色い花で、花の色素に含まれるアントシアニン
によって黒色に変化するのだそう。
ということで、このアントシアニンが偶然含まれずに咲いてしまったのが
黄花のクロユリということになるのでしょうか?


たまたま発見したとき、その場には数名の方がいて
思わぬ撮影会となりました。
撮りたい気持ちは皆同じ。譲り合いながら撮っていたので
なんだか慌ててしまって、あまり良い写真は撮れませんでしたが
出会えただけでもラッキー!ちょーコーフン。

翌日もう一度会いたくて見に行ってみましたが、なんとすでに萎れかけていました。
クロユリが開花してからの花の寿命は、3~4日ほどとも聞きます。
キレイに咲いているときに出会えて、本当にラッキーでした。
過去には心無い輩の盗掘などもあったそうで、ネットでは場所を明かすのを
控える方がほとんどです。
いつかどこかで出会えるのを楽しみに、探してみて頂ければと思います。
後編につづく。
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- 2013/08/05(月) 00:56:05|
- お山
-
-
| コメント:2
キバナクロユリって、はじめて聞きましたよ。
それにしても、感動モノのお花畑だこと。ひょっとしたら
来シーズンあたり、白山行を計画しちゃうかも。
あ~夏も往っちゃいますね。今月、もう山に行けないか
も… トホホ。
だもんで後編、とっても楽しみです。
- 2013/08/07(水) 16:57:10 |
- URL |
- 翼 #ZGMDThxQ
- [ 編集]
> キバナクロユリって、はじめて聞きましたよ。
黄色いのに黒百合とはこれいかに(笑)
白山では他にも、白花のハクサンフウロ、白花のハクサンチドリを見ています。
変種だと知らなければただ通り過ぎるだけですけど、知っていればお宝発掘
みたいで嬉しいものです。
> 白山行を計画しちゃうかも。
来て来て~~
翼さんの撮る白山の花々、、、ぜひ拝見したいものです!
> 今月、もう山に行けないかも… トホホ。
例の持病の具合、いかがですか?
実はうちの相方も、同じ病持ちだったりします(苦笑)
山の夏は短いですものね~
でもまぁ、歩くのにはこれからが良い季節でしょう。
翼さんの晩夏のお花たちも、楽しみにしています!
- 2013/08/08(木) 00:33:37 |
- URL |
- mie #YjQ.5aTo
- [ 編集]