
硫黄岳山頂(2,760m)にて
前編星空の撮影に撃沈して、意気消沈しながら部屋に戻ってみると、もうすでに、
みんな寝息を立てていました。早っ!
せっかく点けたカイロがもったいないので、ダウンシューズの中に入れると
とても冷たかった足も温まって、外で冷えた体を温めにまたこっそり独り
暗闇風呂でも行こうかな、、、と考えていたのに、いつの間にか眠ってしまいました。
ところでこの灰式カイロ、やはり難点は酸素供給にありそうですね。
ダウンシューズの中に入れたカイロは、燃焼しきらず途中で消えていました。
保冷バッグは、カメラと三脚の結合部分と、レンズの出口に穴が空いているのですが
それだけで充分な酸素供給が出来るのか、、、冷気の流入も避けたいところですが
そのへんのバランスを、下界で一度試してみたほうが良さそうですね。

さて、、、
朝一番、偵察に出かけたryoくんから、雪がチラついているとの報告。
夕べ星空を消し去ったにっくきガスは、雪雲を運ぶ使者だったのか!?
昨日の天候と同じように、徐々に回復するであろうことを期待して、
とにかく夏沢峠まで行って様子を見ようということになりました。
登頂するにせよしないにせよ、森林限界独特のあの雰囲気を味わうだけでも
登る価値は充分にあるでしょう。
歩き始めて早々、指がもげそうなほど冷たくなるアクシデントあり。
みんなに先に行ってもらい、ひとり残って回復に努めます。
ポケットに忍ばせていた灰式カイロに、こんなところでも助けられました!
温まったところでリスタート。
独りになって歩き始めると、体が俄然快調になりました。
最近思うのは、わたしには単独行が向いているようだと言うこと。
そもそも体力が乏しいので、他の人に歩調を合わせるのが難しいのです。

凍り付く、夏沢峠・山びこ荘(冬期休業中)
樹林帯の途中で、無事みんなに追い付きました。
夏沢峠で、ストックをピッケルに持ち替え、いよいよ森林限界突入です。
厳冬期の森林限界。
吹き荒れる烈風に身を晒すのは、わたしも初めての経験です。
飛ばされないように、耐風姿勢を取りながら一歩一歩登ります。
まつ毛が凍り、くっついて開かない。 鼻毛も凍るし、強風で酸欠状態。
帽子もバラクラバもバリっバリ。
本来なら真っ先にリタイアして、みんなに安全な撤退への道しるべとなるのが
わたしの役割なのでしょうが(笑)、なんかねー、、、仲間パワーってのは
やっぱり絶大なものがありますね。
みんなで一緒に登頂したい。その想いだけでがんばれちゃうもんです。
無事、全員で登頂を果たし、
山頂で、たまたま通りかかった方にシャッターを押して頂く。
みんな、やりきった感あふるるいい顔! 単独行では味わえない醍醐味。

そんな中、必死の思いで何枚か写真は撮ったんです。
撮ったには撮ったのだけど実は・・・
ISO感度が、夕べの夜間撮影の設定1600のままだったーーっ!おーのー。
全部白飛び。泣く。
下りながら見上げた山頂に、青空がかかり始める。
ちょっと悔しいけれど、でも今日みたいなこんなコンディションで登ったことが、
むしろ思い出に残る良い経験だったと思います。
下りはあっという間に駆け下りて、おひさまでポカポカ(それでも氷点下)な
小屋前のベンチで外ランチ。
お腹が膨らんだら、さぁ、登山口に向け出発です。


しらびそ小屋を通りかかると、昨日は薪ストーブの前で熟睡していた
キチくんが、2年前と同じように、外で元気に番犬してました。
久々のワンコのぬくもりに後ろ髪をひかれつつ、またねーと手を振り
再び下山の途につきます。
全員元気に稲子湯到着。みんなで give me five!!
みんながいたから、今回ばかりは登頂出来ました(笑)
お風呂を頂き、解散。
お付き合い頂いたみんな、ありがとう。
いつかまた。
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- 2012/02/18(土) 13:15:43|
- お山
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